名前のない車

 宅老所 昭ちゃん家の送迎車は2台ありますが、幼稚園の送迎車や高齢者施設の福祉車両

の側面についているような施設の名前やデザインはつけていません。

その理由は、福岡の宅老所よりあいに倣ったものです。

 宅老所よりあいは、ハデな顔のついた福祉車両や施設の名前のついた車が横付けにされたら、

ご近所の方たちから「あの家のじいさんは認知症で施設に通ってるんだな。」と言われることが

ないようにという配慮から送迎車に事業所の名前をつけていないそうです。

 私が特養で働いていた頃は、先輩職員から「〇〇園の看板を背負っているんだから、スピードを出したり、

乱暴な運転をしちゃいけない。」と言われていたので送迎車に名前をつけるかどうか迷いましたが

あるご家族から「うちは商売をやっているので本人が認知症であると近所から知られたくない。

孫がそのことでいじめられるんじゃないかと心配なんです。」という言葉を聴いて、決めました。

送迎車に名前をつけることはしないと。

 そして、お陰様で少しずつですが利用者さんも増えてきました。

それに伴い送迎車も2台では足りなくなってきたので

もう一台の送迎車を購入することに決めました。

 うちの送迎車は白と銀色です。それで3台目は赤い軽自動車を購入することにしました。

昭ちゃん家は視覚等の五感にアプローチするケアを実践しているので

利用者さんが視覚で「この色の車で通いたい」と選んでもらえるようにという配慮もあります。

 昭ちゃん家は名前の無い車で頑張っています。