イオンモールのキセキ

今日も昭ちゃん家スタッフはAさんとイオンモールでのウォーキングに出かけました。

左麻痺のある足を引きずりながら歩くAさんはスタッフを叩いたり、つねったり、頭突きしたり

通行人にもときどき手を出すことがあるので、できるだけ人を避けながら支持歩行しています。

今日もあまり機嫌がよくなかったので、少し歩いては休憩用の椅子に座り、また歩くを

繰り返していました。

ある時、ソファに座っていたAさんにおじいさんが近づきました。

「あぶない!」と思いスタッフがAさんの前に立とうとしたところ

スタッフは気づきました。

 

いつもウォーキングの時、声をかけてくれるおじいさんでした。

「なんだ、今日は元気がないな。」とおじいさん。

いつもはスタッフをバンバン叩きながら歩くAさんの印象が強かったんだと思います。

「俺は88才だが、今も100坪の畑を耕しているんだぞ。こいつはまだ若いんだろ?」

Aさんはまだ60代前半です。

Aさんが少し顔をあげました。

Aさんはアルツハイマー型認知症の診断を受けていますが、いつもイオンで声を

かけてくれる88才のおじいさんを憶えていました。

そして、なんということでしょう

Aさんはおじいさんの腕を取り、チュッチュッとキスをしました。

Aさんが気に入った人にしかしない親愛の表現です。

そして握手をしました。

びっくりです。

1ヵ月に1~2回しか顔を合わせないおじいさんのことを憶えているなんて!

 

Aさんは、昭ちゃん家で一番やんちゃな利用者さんですが、

こうやって ときどき、私たちにキセキを見せてくれます。