2019/04/24
今日、利用者さんのご家族から、
「去年の今頃は、ご本人の認知症の進行で
医師から『すぐ歩けなくなって寝たきりになる』と
宣告され、途方に暮れた毎日を送っていた。
しかし、今は笑顔も多くなり
歩けなくなると言われてから2年が経ったが
毎日、なんとか歩けています。
昭ちゃん家のスタッフのおかげです。」
と感謝の言葉をいただけました。
「認知症の人にはどんな薬や医師の治療法より
笑顔でいられることが一番の薬ですね」とも言っていただけました。
福岡の宅老所よりあいの代表の村瀬孝生さんは『おしっこの放物線』
という本の中で「老人介護とは(中略)日々の暮らしのなかで
お互いに関わり合うことで、ひとつひとつ、
折り合いをつけていく(こと)。」と書いています。
また東京の大起エンゼルヘルプ・和田行男さんは『着地する』という
別の言葉を使っています。
僕は頭では解っているつもりでしたが、
本当はその意味が解っていませんでした。
しかし実際に毎日、利用者さんと関わることで、
利用者さんと折り合いをつけていくことが身体で解ってきたように思います。
そしてそれは、自分の視点でみることではなく、相手の視点で
みていくことで、その人の心の訴えが見えてくるように思います。
自分たちの都合で接していても、相手との距離は縮まりません。
僕は毎日、利用者さんとイオンモールで歩行訓練をしています。
朝10:00頃から歩いていますが、最初の頃は、12時までに帰らないと
皆と一緒にご飯を食べたいだろうと思って、頑張って訓練の介助を
していましたが、今は本人のペースで歩いています。
時には30分以上座ったままの時もあり、300mくらいの距離を
2時間から3時間かけて歩行しています。
立ち上がる時は、僕の体をトントンと叩いて教えてくれます。
または「そろそろ行く?」とこちらから声掛けすることもあります。
そういったお互いの折り合いをつけていくことで、
その人の暴言暴力が確実に少なくなりました。
ただこれが正解かどうかはわかりません。
ただ薬を盛って大人しくさせることは
決してしたくないなぁと思っています。