2019/08/30
宅老所での利用者さんの姿しか知らないと
大きな間違いをしてしまうなーという話です。
アルツハイマー型認知症で
嚥下障害と
暴言暴力のある花子さんは、
水分はゼリーを飲み、
昼はパン、麺類もたまに食べる
という情報がありました。
そこでアンパンとラーメンを提供したところ
ちょっとだけラーメンに手をつけて食べず
あんパンを完食していたので
ラーメンは止めて
甘い菓子パンを2コ用意して
食べてもらっていました。
しかし、一時まったく水もパンも食べなくなった
ことがあり、自宅へ行き
本人が食事を食べるところを
見に行きました。
すると、まず家族は
ミカン缶のミカンの汁を切り
ゼリーを混ぜて
スプーンで食べさせていました。
その後、一つの皿に
シフォンケーキの4つ切りと
やきそばを乗せ、箸を前に置くと
両方とも箸を上手に
使って食べ始めました。
昭ちゃん家では箸やスプーンやフォークは
他利用者に投げつける恐れがあるので
素手でパンを食べてもらっていたのですが
家族から「箸は持っている限り、
食べる意志があるので、そのままに
しておきます。」と言われたので
そのまま箸を持っていただくと
ソバやシフォンケーキを
箸で上手に使って食べる花子さんが
そこにいました。
ソバは汁を切って提供していました。
そして最近では、食後の薬を
飲んでもらえない時に
テーブルの上に薬を置いておくと
小さな白い錠剤を上手に箸でつかみ
飲み込んでくれることもあり、家族に話すと
家族もびっくりしていました。
以前は渡したパンを他利用者さんに
投げつけていたのに
箸で昼食を食べてもらうようになってからは
投げつけることが少なくなったように
思います。(というか、無くなった。)
コチラの勝手な思い込みが花子さんの
食生活をねじれたものにしていたのかも
しれません。
もっと利用者さんのお家に
出かけていって
お家の花子さんたちの
本来の姿を見せてもらうことは
大事だな~と思いました。