ニシン漬け

大根の収穫も終わり、

大根を庭に

ほっておきましたらば

志づこさんが

「もったいないね~!

あんなことしてたら

酢が入ってしまうよ!

私ならニシン漬けに

してやるのに!」

と怒ります。

「ニシン漬け作ってくれるの?」

「作るよ!」というので

「何を買ってきたらいいの?」

と尋ねると

「麹とアラ塩とキャベツと…」

「すぐ買ってきます!」

と買い物へ。

いつも昼寝を2時間は、するのですが

志づこさんは

ニシン漬けが気になるようで

20分くらいでもう起きてきました。

 

「包丁とまな板ちょうだい!」

とやる気満々!

一人で20本ほどあった大根の皮を

むき終えました。

その残骸です。

「オヤツだよ~!」

「休み休みやってね」

と言っても

ひたすら大根を切り続けます。

2時間半かけて

ようやく粗塩をまぶして

大根を漬け終わりました。

「麹を水で浸して!」

「はい!」

「みがきニシンに米のとぎ汁入れて!」

「はい!」

 

 

来年の春に99歳になる志づこさんは

仕事をきっちりし終えて、

満足そうに帰ってゆきました。