入浴のススメ

お久しぶりに投稿させていただきます。

 

今年の冬は雪が多くて、しかも

コロナやら戦争やらも始まって

厳しくつらい状況が続きました。

しかし、ようやく春がまた来て

くれました。

ウクライナにも平和な春が来てほしい

ものです。

ところで、

最近感じるのは昭ちゃん家では、

入浴が嫌いに

なった方の駆け込み寺になってきた

ようです。

以前、「デイサービスなんか

絶対行かない!」と啖呵を切る

2年も風呂に入らないという方を

「病院へ行きましょう。

ここは普通の家にみせた病院なんです」

とわけのわからないことを

言って昭ちゃん家へお連れし

お風呂に一発で入ってもらえたという

話をしました。

その方はいまでは週3回、

昭ちゃん家に来ていただいて

入浴やレクを楽しんで頂いてます。

他には囲碁が好きな方で入浴拒否の方が

いらっしゃいますが、その方は「風邪気味

なので入らない、寒気がする」と

入浴を拒否しますので、まず好きな

囲碁をしていただきました。

私は囲碁のルールを知らないのですが、

その方に一から教えて囲碁を教えて

いただきました。

そして負けると「さすが師匠!

お背中を流させてください!」と

入浴を促すと一発で入って

頂けるようになりました。

また群馬県の伊香保温泉近くで

生まれた方の時には、

脱衣室の前に

『伊香保温泉苫小牧支部』と

書いて「伊香保温泉のお湯を

汲んできてます。入浴しましょ!」

とだまして入ってもらいました。

なんてひどい

デイサービスでしょうか…。

 

今回もまた数カ月入浴していないという

85歳の男性をなんとかデイに通わせ、

入浴させてほしいという包括からの

依頼が来ました。

男性の場合、力が強いし頑固な方が

多いので、どうしたもんかな~と

思いました。

ケアマネが「デイに行くよ」とは

言わず、黙って昭ちゃん家に

お連れしたようですが

さすがに関係もできていないのに

初回から入浴はできませんでした。

(仮にその方のことをKさんとしますが)

Kさんはジャズや釣りが好きだった

ようです。

音楽が好きと言うのは昭ちゃんには

大きなアドバンテージです。

それで日曜日にKさん宅へ

お邪魔してみました。

昭ちゃん家に来て頂いたのは

二日前です。認知症のある

Kさんが憶えていなかったら

追い返されるなと思いながら、

おそるおそる

チャイムを鳴らしました。

 

Kさんは、私の顔をみて

「ああ」と頷き家へ入れて頂けました。

しかもコーラを出して頂き

「飲みなさい」と

言ってくださいました。

「ラッキー」と思いながらも

デイご利用の事は一切出さずに

家にあったマイルス・デイビスや

グレン・ミラーのCDを見つけ、

「わー!すごいですね、ちょっと

聴かせてください!」と言い

「ジャズはいいですよね~」と

コーラをゴクリ。

「また聴きに来てもいいですか?」

とご自宅をあとにします。

そしてまた次の日曜日に

お宅へ押しかけました。

この時もデイ利用の事や入浴のことは

一切触れませんでした。

 

この時もKさんは私をお家に入れて

くださり、ジャズの話をしましたが

「なんにもわからん。他人に教える

事もない」と話が続きせんが、

私への拒否は無さそうなので、

「今度の日曜日、近所のお寺で

無料のジャズライブがあるので

行ってみませんか?」と

お誘いすると気軽に

「良いよ」と言ってくださいました。

「わかりました。今度、車で

迎えに来ますネ」と言い

またお家をあとにしました。

そして、翌々日の火曜日に

またご自宅にお邪魔しました。

髭が伸びすぎたKさんに

「あれ~、髭が伸びてますね。」

と私は笑顔で声を掛けました。

「天気が良いので、外に

出てみませんか?」

半強制的に外へ出てもらい

車に乗っていただきました。

そして、昭ちゃん家に

お連れしました。

雰囲気は悪くなかったので、

昼食を終えてから

久しぶりに愛犬オルハを昭ちゃん家に

連れてきて庭で遊んでいると

Kさんが外へ出ようとするので

オルハに餌やりをしてもらい、

少し家の周りを歩いてから

昭ちゃん家に入ってもらうと

ここで一気に浴室へ拉致

しました。

そして「さあ、汗かいたから

さっぱりしますか~!」

と私はさっさと服を脱ぎ始めました。

「いや、俺はいい」と

抵抗しますが、もう関係は

出来てると思い、無理やり服を

脱がせました。

もう新宿の熟練ナンパ師のよう

な悪行ですが勘弁してください。

ここで85歳のKさんをお風呂に

入れとかないと後が面倒なのです。

裸になったKさんは身体に

湿疹ができており、足の爪も角質化

して伸びきっていました。下着も

汚れていました。

おっさん二人で浴室に入り

素っ裸で洗髪洗身をしました。

しかし最後には、

Kさんは自分で身体を洗い始め、

浴槽にも自分から入り、

「気持ちいいな。ありがとう。」

と言っていただきました。

 

歳をとると、風呂が嫌いになるのは

何故なのか?

80歳になったらわかるのかも

しれませんが、入浴介助を

してみるとわかることが

いっぱいあります。

虐待を受けているとか、

皮膚疾患、足の浮腫み等、

表面だけでは

わからないことが

あるのです。

 

嘘をつくのは良くないですが、

嘘も方便といいます。

お年寄りも本当は入浴したいのに

出来ない理由があるのかも

しれません。

お年寄りといい信頼関係を

作っていくことで、

折り合いをつけて

その方らしい生活を継続

してもらえたらと

思っています。

Kさんと約束した

お寺でのジャズライブが今から

楽しみです。ワクワク!