2018/09/02
昨年4月に神奈川県藤沢市の『あおいけあ』の見学に行った時のことです。
介護施設『おたがいさん』で私が代表の加藤氏を待っているときに利用者の女性の方が
目の前にチョコンと座りました。職員が湯飲みと急須をもってきて急須にお湯を入れて、
「お客さんにお茶を入れてあげてね。」と女性に言うと危ない手つきで湯飲み茶わんにお茶を注ぎ始めます。
私はあわてて手を添えてお湯がちゃんと湯飲みに入るようにしてあげると、その女性は「はいどうぞ」
とお茶を私に差し出してくれました。
そのあと女性は「私、いくつに見える?」と聞くので、おべんちゃらで「70歳くらいですかね。」と答えると
「65歳!」と答えられました。「あ~そ~なんだぁ。失礼しました。」としどろもどろにしていると
「本当はね。75歳。」とおちゃめに笑いお茶をすすっていました。
それがあおいけあ流ケアとの出会いでした。
『あおいけあ』では「できることを見つけて、してもらうのがあおいけあ流」と職員が
言っていたのが印象に残ります。
私がいた特養では利用者さんは〝テレビでも見て座ってもらうだけの存在”でしかありませんでした。
だから「いいから、そこに座ってて!」という言葉がいつも施設内に響き渡ります。
「お年寄りは今まで一生懸命働いてきたんだから」とか、「お客様だから」という考え方もありますが、
人に頼りにされるって、いくつになってもうれしいと思います。
昭ちゃん家も『あおいけあ』の「できることを見つけて、してもらうケア」を目指していこうと
思っています。自宅では家族から、はれ物に触るように「なにもしなくていいからね。」と釘を刺され
自室に閉じこもっておられる方でも、昭ちゃん家では、自分のできることを楽しんでいただけるように
していきたいと思います。
それが『あおいけあ』の利用者さんの天真爛漫の笑顔の理由だと思いました。
『あおいけあ』の利用者さんが「ここは天国だ!」と叫んだ言葉が今も耳に残ります。
ちなみに私にお茶を入れてくれた女性のお歳ですが、あとで職員がこっそり
「あのおばあちゃん、本当は93歳です。」と教えてくれました。